今日も宮本武蔵「五輪書」から役立つ教えをピックアップ。
「何時(いつ)にても、役に立つやうに稽古し、万事に至り、役にたつやうにおしゆる事、是(これ)兵法の実(まこと)の道也。」
(宮本武蔵『五輪書 地の巻』より)
意訳すると、ちゃんと実戦で役に立つ稽古をせよということ。
逆を言えば、実戦で役に立たない稽古なんてするなよということでもある。
宮本武蔵いわく、剣というのは真剣勝負であり、下手をすれば命を失うもの。だからこそ、普段からきちんと実戦を意識した稽古をせねばならないと言っている。
経営であれば実戦で役立つ稽古とは何か?
例えば、会計やファイナンス、あるい法律の勉強だろうか。起業時ならマーケティングや営業なども実戦にダイレクトに役立つ勉強だろう。ここの稽古をおろそかにしてはならない。
塾生やクライアントにも、まず起業したら「お客さんの開拓」には必ず苦労をするので、マーケティングや営業に関わることは必死になって学ぶように強く勧めている。
ところが、経営者や起業家でも、儲けることに役に立たない勉強や稽古をしてしまう人も多い。例えば、変な自己啓発やスピリチュアル系のお話などにハマってしまうなど。
そんなことをしてる暇があったら、経営者ならまずは儲けに直結すること、宮本武蔵がいう「実戦」に役立つ勉強や稽古をした方がいい。
あるいは、これから起業したり、会社経営に携わる者がMBAの学習などに向かってしまうこともある。残念ながらMBAの知識は誤解を恐れず言うなら「大企業の管理職向け」のものである。
ある程度、会社が大きくなり、組織化されてきてから役に立つ知識だ。なので、これから起業する人や、小さな会社の経営者にはほとんど役に立たない。
そうではなく、起業家や経営者なら、まずは「目の前にお客さんを連れてくる技」や「目の前に来た見込み客に買ってもらう技」の稽古に励んだ方がいい。その方が儲けに直結する。まさに実戦に役立つ稽古である。
宮本武蔵いわく剣術は真剣勝負である。経営もそのぐらいの心持ちであたりたい。