本日も大事な教えを「易経」から。
「鹿(しか)に即(つ)くに虞(ぐ)无(な)く、惟(た)だ林中に入りたり。君子(くんし)幾(ほとん)ど舎(す)つるに如(し)かざるも、往(ゆ)けば吝(りん)あり。」
(『易経 六十三 水雷屯より』)
意訳すると、鹿を捕まえたいのだが、案内人なしで林に入ってしまう。賢い人なら引き返すべき。そのまま行くと後悔することになるという意味。
要するに、新しいことを始める際は案内人や先生をつけないと後悔するよということ。
例えば、私は38歳でピアノを習い始めた。が、最初は何をしていいかわからなかったので、きちんと先生をつけて習うことにした。おかげさまで、多少なりとも弾けるようにはなった。まだまだ未熟ではあるが。
起業時もそうだ。23歳で独立し、25歳で会社を作ったのだが、はじめは何をしていいかわからなかった。特に難しかったのは、集客や営業である。どこにお客さんがいるかわからない。どうやってお客さんを集めたらいいかわからなかった。
そこで、本屋に行き「集客」や「マーケティング」に関する本を買うことにした。特に参考になったのは行政書士の丸山学先生が『行政書士になって年収1,000万円を稼ぐ法(同文館)』だ。「メルマガやホームページを作って集客した」というような内容が、当時、お金もないし、集客ノウハウもない私にとってはおおいに参考になった。
それから、当時、カリスマ経営コンサルタントとしてブレイクしていた神田昌典先生の著書も大変勉強になった。『あなたの会社が90日で儲かる(フォレスト出版)』は穴が開くほど読み込んだ。講演テープなども何度も何度も聴きまくったものである。
また、学んだ内容も良かったが、「学ぶことの面白さ」を味わうことができたのも大きかった。これはその後の経営や投資にも活きている。良き師というのは、単に知識を授けるだけではなく、学ぶ面白さをも伝染させてくれるものである。
このように、何か新しいことをやる際は、案内人となる先生やコーチを付けた方が上達は速いし、失敗も少ない。易経でもただ勢いに任せて、やみくもに進むことを戒めているのである。