社長は低き者の気持ちがわかりづらいから要注意。(菜根譚)

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経営者のお話を聞いていると、「危ういなあ」と思うことがしばしばある。

それは、身分の低い従業員や社員の気持ちがわかっていないことである。

結果として、要らぬ恨みや妬みを買ってしまうことも・・・。

中にはクーデターや裏切りに発展してしまうこともあるので決して他人事ではない。

こちら菜根譚からピックアップしてみよう。

「卑(ひく)きに居(お)りてしかる後に高きに登るのを危きを知る。」

(『菜根譚 32』より引用)

どういう意味か?

低いところから登る際は、高いところの危険さがよくわかるということ。

例えば、高層ビルとかも下から見上げたら「地震来たら大丈夫かなあ」とわかりやすいであろう。しかし、高層階で優雅にお茶や食事をしていたりすると、その危険性が分かりにくい。

実際、東北大震災の時に都内ビルの高層階にいて、とんでもなく揺れて恐怖を感じた人もいた。

 

これは組織でも同様である。

社長や経営者はおうおうにして、下の者の気持ちがわかりづらい。中には分かろうともしない人もいる。

例えば、社員が日々、一生懸命働いているのに、社長が「海外旅行で悠々自適に遊んでいる」ことをSNSで発信したらどうなるか?

中には良い気持ちがしない従業員もいるであろう。「自分はこんなに苦労して働いているのに優雅に遊びやがって・・・」などと。

 

実際、私が会社員だった時代(といってもたった5か月だが・・・)にこんなことがあった。

社長がふだん「節約!節約!節約が大事だ!」と言って、「昼食時は電気を消すように」していた。おかげで、われわれは暗いどんよりした雰囲気の中、ランチを食べていたのである。

ところが、同期の若手社員がある物を見つけて「これ、見て・・・」と言ってきた。

社内はざわついた。

それは何か?

社長のトランクケースに飛行機の「ファーストクラス」のステッカーが貼ってあったのである。

それを見た社員数人は「これはちょっとね・・・」とドン引きしていた。

社員たちはきっとこう思ったのだろう。

「ふだんあんなに『節約が大事だ!』と言って、社員たちの『お昼時の電気を消す』ぐらいに徹底したのに、自分はこんなに贅沢するのかよ!」と。

下の者たちは、社長が知らないだけで、しっかり見ているのである。一挙手一投足、気にしているのである。

 

ちなみに、私がコーチとしてお役に立っているのはこういう部分でもある。「社長はそう思うかもしれませんが、社員はこう思ってますよ」と、客観的に助言できることなど。

社長や経営者は、なかなか低き立場の者たちの気持ちが理解できないものである。自分で気をつけるか、誰かにアドバイスしてもらうかは自由だが、常に意識しておきたい大切な教えである。

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