孫子の兵法(虚実篇)にある好きな言葉の1つがこちら。
兵の形は水に象(かたど)る。
(孫子の兵法『虚実篇』より)
わかりやすく意訳すると、兵の形は「水」のようであれということ。
水は高いところから低いところに流れる。その際、岩や木などの障害物があっても、柔軟に変化しながら流れていく。
大きい器に入れれば大きく、小さい器に入れれば小さくなる。フレキシブルに対応が可能である。
つまり、組織というものも、このように「水」のようにフレキシブルであれということ。
これは、弱者の立場である小企業やベンチャー企業なども同様だ。
起業する際は、2通りのタイプに分かれる。1つは資金や人材などが豊富にない弱者タイプ、2つ目は資金や人材が豊富な強者タイプ。
当然、多くの起業家が前者にあたるだろう。その場合、孫子の教えを踏襲し「水」のような心持ちで臨むとうまくいきやすい。
例えば、人材は多く抱えない。少数精鋭で行く。
事務所や店舗は構えない。在庫もできるだけ抱えない。
借金などもできるだけしない。身軽な経営で行く。
そして、売れ行きに応じて、柔軟に仕入れを増やしたり減らしたり、人材を増やしたり減らしたりしていくのが望ましい。
また、大手企業などの競合他社が参入してきた際は、速やかに撤退することなども考える。逆に、新しいチャンスが芽生えたら、素早く先んじて参入する。まさに水の如く柔軟に変化していくのである。
弱者タイプやベンチャー企業の多くは、この「水」のような姿勢でビジネスをする方が成功率は高い。ちなみに起業して20年以上が経つが、未だにこの「兵の形は水をかたどる」を頑なに守っている。だからこそ、凡人で愚者な私でもリーマンショックや震災、コロナショックなど様々な危機があっても生き延びることができているのである。