調子に乗るな。(易経)

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本日も「易経」から大切な教えを。

「潜龍」から始まり、「見龍」へ。

基本や型を身に着けると、いよいよ結果が出てくるようになる。

例えば、経営者であれば最初は経営のことがよくわからなかった。が、謙虚に人から教えを受けたり、学んだりしていくと儲かるようになってくる。

株式投資であれば、最初は恐れながら取り組みつつも、先人たちの教えを学び、謙虚に実践すると、だんだんと儲かるようになってくる。

しかし、易経では次のように重要なことを戒めている。

 「君子終日乾々(けんけん)、夕べまで惕若(てきじゃく)たり。厲(あやう)けれども咎(とが)なし。」

(『易経』より)

要するに「調子に乗るなよ」ということ。

いや、これは結構、馬鹿にできなくて、多くの人がやらかしてしまう。

芸能人であればちょっと売れてくると、女遊びなどをして羽目を外してスキャンダルになったり、麻薬に手を出して捕まってしまったり。

経営でも、ちょっと儲かってくると「なんでもできるんじゃないか?」と勘違いし、本業とはまったく異なる事業を始めて大失敗したり。

あるいは、投資でも面白いもので、私は経営顧問業の中で「資産形成」について教えることがある。「型」のようなものの伝授をする。

ところが、興味深いのは、ちょっと儲かってくると、私が教えた「型」から外れた銘柄を買ったりするのである。それで、当然の如く、損失を出してしまう。

「なぜ、教えた『型』から外れた企業に投資したんですか?」と聞くと、「なんだかイケる気がして・・・」と論理性とは全く異なった意思決定をしていたことが判明する。

これなどもまさに易経の教えの通り。潜龍から見龍へと成長し、やがて、成果が出始めると、とたんに謙虚さを忘れ、調子に乗ってしまう。だからこそ気を付けなければならないということ。

 

では、易経では、見龍を経て成果が出るようになったらどうすればいいと言っているか?

日中は相変わらず基本の型を学ぶ努力を怠らないこと。それから、夕方や夜になったら「反省」すること。

「これでよかったか?」「きちんと型を踏襲していたか?」「まだまだ足りないところはないか?」など。

この「反省すること」が大変重要だと易経は説いている。まだまだ調子に乗るなよ、と。あなたはまだまだ未熟者だよ、と。ぜひとも忘れてはならない易経の教えである。

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