タイミングは読めない。読まない。

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先日も会員限定特別勉強会にて質問があった。

「株などを買うタイミングはどう読めばいいか?」というもの。

例えば、今年4月にトランプ関税ショックがあった。大きく下げる日が連日続いた。

その際、早めに買い始動してしまい、買った後もさらに下がってしまったと。タイミングを読むのは難しいと参加者の方たちは口々にした。

タイミングを読むことに長けている有名な投資家といえば、例えば、最近引退を表明したウォーレンバフェットさんだ。彼は金融危機が来そうになったら「現金比率を高める」ことをよくするし、そうした方がいいとの発言も残している。

さて、私たちはタイミングは読むべきなのだろうか?

読むとしてもどう読めばいいのか?

それに対して、参考になる文献からの引用を1つ紹介したい。

「パフォーマンスを改善させようとして、株式から現金やほかの資産にシフトする—に関する以上の調査は、マーケットタイミングが真に投資パフォーマンスの静かなる殺し屋であることを示している。」

(『長期的バリュー投資の基本と原則(ジム・カレン著、パンローリング)』より引用)

要するに、タイミングは読めないし、読まない場合と読んだ場合とでパフォーマンスにさほど違いはないということ。

特に私たち凡人投資家はそう。タイミングなんて読もうとしても結局読めないのである。

「割安だ!」と思って買っても、さらに下がることもある。

「まだまだ下がりそうだ」と思って待っても、実はそれが底で、それ以上、下がらないこともある。

そうすると買うチャンスを逃してしまう。

手元に現金を残しておいてもインフレで価値は目減りしやすいし、配当などのキャッシュフローも生みにくい。

だったら、そもそもタイミングを読むことは諦めて、良質な企業を買い、下がったら諦めて買い続けるという戦略を取る。

その方が凡人は結果としてパフォーマンスは良くなりやすい。

もちろん、ドンピシャでタイミングを読めるに越したことはない。それが最良だろう。それができるならそうするべきだ。容易ではないことは肝に銘じた方がいいが。

また、本書の最後の方にはこう書いて締めくくられている。

投資家は、市場のタイミングを計ろうとする誘惑に常に打ち勝つことを心掛けねばならない。

(『長期的バリュー投資の基本と原則(ジム・カレン著、パンローリング)』より引用)

タイミングに関して、悩むことがあった時に参考になれば幸い。

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