落下するナイフは掴みに行く。

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社長の資産形成や資産防衛には株式投資は有用な手段である。

株式投資では様々な格言がある。

その一つが「落下するナイフは掴むな」というもの。

株が暴落している途中で「底だ」と思って掴むと、まだまだ下がって痛い思いをするよという意味合いである。

確かに「まだはもうなり」というように、「底」だと思っても、それが本当の「底」かどうかは確証がない。

 

ところが、逆張り投資家からすると、「落下するナイフは掴みに行く」ことが正解となる。もちろん、絶対ではないが。

なぜか?

落下するナイフが落ちきった頃には、本当に美味しいタイミングで買うことができないからである。

よく「拾うならナイフが落ちきったのを確認して拾え」と言うが、残念ながら、落ちきったタイミングというのはわからないし、落ちきるのを待っていたら、いつまで経っても安値で拾えない。

著名な投資系著者にハワード・マークスがいる。

彼は名著『投資で一番大切な20の教え(日本経済新聞出版社)』にてこう語っている。

一つ確信を持って言えるのは、ナイフが床に落ち、混乱がおさまり、不透明感が消えるころには、超お買い得品はまったく残っていないということだ。

買うことが心地よいと思えるようになったころには、価格は超お買い得と言えるほど安くはなくなっている。したがって、居心地の悪さをともなわない利益率の高い投資というのは、だいたいが矛盾した話なのだ。

逆張り投資家として、願わくば用心深さとスキルを携えて落下するナイフを掴みにいくのが我々の仕事だ。

(引用元『投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス著、日本経済新聞出版社)』)

その通りで、最近は落下して跳ねる速度がどんどん速くなっている。

例えば、2011年、東北大震災の時も大底で買うタイミングは一瞬しかなかった。

その経験から、2020年3月のコロナショックの時は、クライアントさんにも「ここは絶好の買い場」とお伝えし、そこで買った方は大幅に含み益積み上げに成功した。もちろん、私も全力で買い向かった。

また、2020年3月コロナショック直前に緊急で「講座」を開講し、良い株の見分け方や、なぜ今買うタイミングなのか?を徹底的に語った。講座を受講された方は、そのタイミングで購入し、ほぼ全員が大幅な利益を積み上げることに成功している。中には教え通りの理論を実践して銘柄探索をし、株価3倍以上になったものもある。もちろん講座料金なんぞは余裕で回収できている。

 

ただ、無謀や蛮勇ではいけない。

私の場合は、「高配当」という保険を頼りに買い向かった。

高配当銘柄は、暴落から立ち直るスピードも速いという経験則がある。

なぜ?

高配当銘柄は割安になると、利回りが大幅アップし、投資家にとって魅力的に映るからだ。

だから、高配当銘柄は速く立ち直りやすい。

また、万一、上がらないとしても、高配当をもらい続けることができる。この高配当分が時間をかけて損失を埋めてくれるのである。ありがたい仕組みだ。

 

ということで、「落ちたナイフは掴むな」という格言は、AIやロボットなど取引がハイスピード化している昨今では必ずしも当てはまらない。

逆に「落ちたナイフは掴みに行く」ぐらいの気概が逆張り投資家には必要になってくる。

もちろん、みんなが恐れている、悲観に思っているところに、楽観で向かうのは大変な勇気が要る。孤独感が伴う。

しかし、だからこそ、そこに投資の妙味があると言えるのである。

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